Nature Machine Intelligence

Natureが新しい雑誌を出すようだ。

これまで、主に自然科学系を対象にしていたが、AIにも対象を広げるらしい。

ただ、論文投稿の際にソースコードやデータを公開することを必須にする方針のようで、プログラムやデータによってはすぐには公開できないものもあるので、この方針は問題がある。基本的には、ソースやデータを公開することには賛成だが、あまり早いタイミングで公開してしまうと、強力で優秀な世界的企業研究所がどんどん先をやってしまう。学部・修士学生が研究テーマをもって進めている状況では、ある程度刈り取ってから公開したいというのが大学研究室の正直な気持ち。

NAACL2018 "Test of Time" awards

NAACL2018は "Test of Time" awardを1〜2件の論文に贈る。歴史的論文賞という感じで、2002〜2012年に発表され、大きな貢献のあった19の論文をエリアチェアが選出し、投票により1〜2件を決定する。
https://naacl2018.wordpress.com/2018/01/14/test-of-time-paper-nominations-or-classic-computational-linguistics-papers/

面白い試みで、たとえばKishoreのBLEUの提案論文などが含まれている。こういうところに残る研究をしたいものだが、なかなか難しいですね。

投票者は1000 productive authors

NVIDIA GeForce ドライバー

うちの研究室では,深層学習の実験のためにひとり1台Titan Xの搭載されたデスクトップを使っている.日本の大学としては,かなり贅沢な環境なのだが,学生はあまり実感がないようだ.

NVIDIAのTitan Vが発表され,次のGPU搭載PCの購入を考えていたところに,11/30のライセンス改定により,データセンターでのNVIDIA GeForceドライバーの利用の禁止というニュースが入ってきた.

データセンターへの導入の禁止。データセンターへの導入の目的では、本ソフトウェアのライセンスは付与されていません。ただし、データセンターにおけるブロックチェーン処理を行うことは許されます。

http://www.nvidia.co.jp/content/DriverDownload-March2009/licence.php?lang=jp&type=geforcem

データセンターが何を指すのかこの文面だけではわからないが(たとえば,大学でサーバー群を計算機センターに持っているような場合は関係するか等),Tesla系ではなくGeForce系のGPUを乗せたサーバー群を構築しているところには影響が大きい.

ちなみに,ライセンス条項が過去に遡及することは通常ないので,11/30以前にドライバーを使っている場合は問題ないと思われる.(制限はドライバーのダウンロード時に同意するライセンス条件にかかっているため)

余談になるが,2011年にGPUを使った機械学習の高速化とその言語処理への応用に関する研究発表をしたときは,「それのどこが言語処理やねん」という空気だったが,今ほとんどの深層学習ベースの言語処理ではGPUがないと研究にならないほど,GPUの利用があたりまえになっていて,隔世の感がある.

「働きたくないイタチと言葉がわかるロボット」

今、言語処理業界で話題の本。著者は川添愛さん。一般向けと思われるが、横書きの書籍で私にとっては読みやすい。

人工知能の専門家にとっては、人工知能の難しさを説明するための良い指針になる。また、一般の人にとっては、人工知能について何か語るときに知っておくべくことが詰まっている。

イタチやモグラやフクロウが出てきて話が展開する児童文学のようなスタイルだが、内容は深いし、専門的な部分も良く書けている。文章も読みやすく、わかりやすい。

少し心配なところがあるとすると、現時点では、人工知能技術の現状を的確に表現しているが、この分野は研究が他分野の10倍速ぐらいで急速に進んでいるので、2,3年過ぎると、内容が古くなってしまっている部分があるかもしれないところ。

’s Gravenhage

備忘録

アポストロフィーから始まる単語が存在する。

オランダの都市ハーグの正式名称は 's Gravenhage (スフラーフェンハーヘ)。'sも含めて名称。

言語処理的には Mary's をMary と 's に分割したときの 's と、単語としての 's の区別がつかないという問題が起きる。実際に問題になるケースは皆無といって良いけど。

tokenizeされた英文を単純に平文に戻すときは、's は前単語にくっつけるので、ハーグの'sは前の単語についてしまうだろう。

スマートビークル研究センターシンポジウム

2017年11月17日(木)に豊田工大にて,スマートビークル研究センターのシンポジウムを開催します.

http://www.toyota-ti.ac.jp/event/stydy/000596.html

私も「自動走行車は運転免許学科試験に合格できるか」というタイトルで15分ほど講演します.