DeepL Write

ChatGPTなどの生成言語モデルが話題になる少し前から、Transformerベースの深層翻訳システムが実用化されていた。翻訳も対話も入力に対する適切な文を生成するという点では同じであり、学習するデータが同じ言語か別の言語かの違いがあるだけだ。翻訳ソフトの中でも無料でありながら驚異的な翻訳品質で話題になっていたのがDeepLで、このブログでも日本語対応開始時点から紹介していた。

そのDeepLが提供しているDeepL Writeの出来がこれまた非常に良い。DeepL Writeは翻訳ではなく、入力した英文を校正して、より良い英文に変えてくれる。少し前に、VAEをベースに入力文の誤りを異常値検出の手法で判定するという研究に取り組んでみたが、思ったより性能が出なかった。DeepL Writeはかなりのケースでブラッシュアップした英文にしてくれる。DeepLで翻訳した英文をさらにDeepL Writeにかけると、かなりネイティブ的な英文になる。稀に意味を取り違えて書き換え候補を出すので妄信は禁物ではあるがとても参考になる。

たとえば、Knocking on locked door をDeepL Writeに与えると、Knocking on a locked doorではないかと文法的な間違いを指摘してくれる。日本の出版業界や放送業界の人にも使用を勧めたい。ボブディランの Knockin' on heaven's doorは間違っていないが、言い換えの候補を示してくれる。