国際会議

言語処理関係の主要国際会議の投稿シーズンが近づいてきた。
毎年1月〜3月には、学生さんから先生までみな締切りに追われる。

私も現在ネタを仕込み中。期待通りの結果が得られるかどうかはまだ不明。

特に、言語処理・計算言語学分野では国際会議ACLの論文がよく参照される。
査読も非常に厳しく採択率も低い(1/5以下)。
ACLでの採録は、この分野では論文採録と同等以上の価値があるといってもよい。
多少誇張して言えば、ACL採録されることでその分野の専門家として国際的に認められたと言えなくもない。
ただし、逆は必ずしも真ならずで、ACLを重要視しないというご意見をお持ちの方もいらっしゃるし、ACLを活動範囲としない著名な先生方もいらっしゃるので、ACL採録されていないからどうというではない。

採択率が低いということはACLの良い面でありかつ悪い面でもある。
競争率が5倍以上になると5段階評価で、3人の査読者のうち少なくとも2人が4か5を付け、1人が3か4をつけるぐらいの高評価が必要となる。
こうなると査読者の厳しさ度合いによる不定要素の影響が大きい。
これまで連名を含めて私が関係した論文は3件ACL採録されているけど、もし、時間を巻き戻して、それらをもう一度過去の時点で投稿すると今度は不採録にならないともかぎらない。
また、ACLの査読者たちがちょうど注目している流行りのテーマにうまくあたっているかどうかも結果に影響する。
このため、ものすごく画期的で先進的な論文よりも、綺麗にまとまっているちょっと先進的な論文の方が採録されやすいという皮肉なことがおきる。
まあ、これはどのような分野でも採択率の低い国際会議においては発生する共通の悩みではあるのだけれど。